過去の受賞作品

第7回短編映画コンクール(2008)


グランプリ
『Needlewood Antiques』/ 前田直樹(愛知県)/ 15'00"
『Needlewood Antiques』 【作品解説】
ようこそ「Needlewood Antiques」へ。色とりどりのキャラクターを、七色のミステリーを、多種多様のサプライズを心ゆくまでお楽しみ下さい。
英国は、ロンドン南部に位置するクリスタルシティーにある骨董品店の共同経営者であるRon(ロン)とSive(サイブ)は、ある日「立ち退き勧告書」を受け取る。彼らは在庫処分を行い、お店を近々閉店する覚悟を決めていた。そんな彼らのもとに最後のお客様を迎える事になるのだが…。全編英国ロケ、英国キャストで贈る日本人監督が描くアイリッシュコメディー。
準グランプリ
『のりとななかまど』/ 田野聖子(千葉県)/ 19'57"
『のりとななかまど』 【作品解説】
高校3年生のノリは良太と幼馴染。ずっと一緒の学校に通い、少し頼りないけど優しい良太をこれからも自分が支えていくと思っていた。そんなある日、ノリは良太から高校卒業後の進路について聞かされる。時は流れ、大人になり結婚しているノリの横顔の後ろには結婚式の写真が飾ってある…。
岐路を迎えた高校生たちの、不安定で、甘く切ないラブストーリー。幸せな誰もが心の中に持っている10代の淡い想いを、素朴な方言と景色の中描く。秋田オールロケにより日本の原風景をそのまま映すことを心がけ、不器用で格好悪い青春臭さをより一層際立させた。劇中音楽は秋田の風景を見た作曲家が映画のために作曲。地元密着の作品で、スタッフ全員手作りで仕上げた作品。観た人の心がじんわり優しくなる空気を運びたい。
入賞
『オセロ』/ 松田 彰(大分県)/ 12'00"
『オセロ』 【作品解説】
今日は市民文化祭に大学のサークルが出展している。控え室で荷物番をしていた毬江のもとにサークルのOBの高階が訪ねてきた。暇をもてあましていた毬江はオセロをやろうと誘う。女二人の複雑で微妙な駆け引きが始まった――。
千葉県の有志によって活動している地域密着型映画作り推進プロジェクト『手づくり映画屋さん』の2006年度版に監督脚本として参加して製作された。舞台は文化センターの和室のみ。設定はそのまま市民文化祭の当日。制限時間は6時間。老若男女を前にしての公開撮影。
『UMAでこんにちは』/ 土橋利章(長野県)/ 10'00"
『UMAでこんにちは』 【作品解説】
夢中とバカは紙一重!?UMA大好き男の日常を描いた大人青春ムービー。アパートの一室を仕事場とし、デザインの仕事をしている男と女。しかし、この男はあまり仕事に集中できていないようだ。なぜなら、この世にはたくさんのUMAが存在しているから!UMAの存在を信じて疑わない男は、日々様々なネットワークを使いその目撃情報を得る。そして、その情報を元に自分の目で確かめに行く…。一方、相方の女はUMAに興味はなく客観的な目で物事を見るが、男の夢中な姿につい手を貸してしまう。そんなふたりが、今日もUMAを追い求めていく…。
この作品は、UMA=未確認生物を通し日常の中で何かにひたすら夢中になる大人の青春を追ったショートコメディです。1話完結の複数ストーリーがどこかで繋がっています。今回はその作品シリーズの内4話をお届けします。
入選
『イシノオト』/ 木下 真(東京都)/ 19'14"
『イシノオト』 【作品解説】
囲碁を趣味とし、静かな隠居生活を送る老人が主人公。ある日妻がこつ然と姿を消し、かわりに奇妙な漬物石が現れる。妻が漬物石に変身してしまったらしいと気づき、慌てる老人。が、戸惑いながらもその存在をすこしずつ受け入れていく。果たしてそれは現実のできごとなのか、それとも老人の妄想にすぎないのか…。
その顛末を、台詞を一切用いず映像と音だけで描いた作品。ホームドラマであると同時に、コメディやホラー、ファンタジーなど、さまざまな顔つきを見せる短編です。
『嘘』/ 加藤秀樹(福島県)/ 1'00"
『嘘』 【作品解説】
ほんとを言えず悲しいときもあります。でも、ほんとを言うともっと悲しくなるときもあります。息子夫婦と、その孫の帰省を、心待ちにしていた一人暮らしの母。そんな母がついた「嘘」とは・・・
「クレヨン社」というユニットで音楽を作っていますが、二年ほど前から急に映像制作に興味が沸き、こんなふうな小品を作り始めました。この作品は同郷出身のもうひとりのユニットの女性に母親役をお願いして作ってみた作品です。スチール写真ならではの空気感を大切にしました。
『39ra☆愛キュン』/ 勝又 悠(神奈川県)/ 15'00"
『39ra☆愛キュン』 【作品解説】
「一年経っても、私はあなたを好きでいるでしょう。」奏が想いを寄せる相手、それは同じクラスの悪ガキ、小松田一徳。じゃれあっては喧嘩のように言い争いをする二人。奏の心境は複雑だ。学校で流行ったおまじないがある。折り紙で作った紙ヒコーキに好きな人と自分の名前で相合い傘を書いて39回飛ばせば両想いになるというおまじない。夕暮れ、引っ越しのためもうすぐこの街を出る奏と一徳は、桜の木の下でこのおまじないを実行する。一徳が口にした「好きな人」の名前は奏ではなかった。奏は一年後にまたこの桜の木の下で逢おうと精一杯の約束をする。一年後、奏は妹の蕾(つぼみ)を連れて桜の木の下へ向かう。おまじないとちょっとした勘違いが招いた恋のゆくえは…。
『ペース』/ 丸井隆三(広島県)/ 19'03"
『ペース』 【作品解説】
本作は06年の9月くらいに映像系の専門学校在学中に仲間数人と製作開始いたしました。撮影期間は実質4日程度なのですが、スケジュールが合わなかったり体調不良などで、シーンを削除などして11月末に無理やり撮影を終え、編集に入りました。そして思考錯誤の末08年10月初めに完成いたしました。本作のテーマ「マイペース」ということでマイペースで製作いたしました。「コメディーを作りたい」「スローライフっていいな」「ベタな奴もいいな」という自分の漠然とした思いから製作することになりました。本当にトラブル続きの本作でしたが、こうして入選したことが本当に大変うれしいです。そして、見ていただいた方が少しでも楽しんでいただいて、すこしでも幸せな気持ちになっていただけたらもっとうれしいです。
『またのご利用お待ちしております』/ 平井健志朗(青森県)/ 15'41"
『またのご利用お待ちしております』 【作品解説】
大学受験を控えた悩める少年・伊藤準は、ガールフレンドの優奈ちゃんと同じ大学を目指しているが思うように成績が伸びない。先生にもっと勉強しろと言われるが、まったくもって集中力の続かない準。勉強を始めても、ついつい他のものに目がいってしまう。そんなある日、次の試験の答えが載っている携帯サイトを発見する。半信半疑のまま試しに使ってみると、なんと準は一気に学校のトップになってしまった。さぁどうする伊藤準、あなたはこのままでいいのですか!?東京工芸大学の映像制作サークルAir Heads制作作品。
『盲目の写真家』/ 落合信人(広島県)/ 14'30"
『盲目の写真家』 【作品解説】
目の見えない女性と耳の聞こえない男性が出会えるのだろうか?そんなアイデアでスタートしました。最近、人と人とのコミュニケーションが難しくなったと感じている社会で、会話も筆談も何もコミュニケーションが取れない二人が出会うことができれば、もっと人と素直に触れ合うことができるのではないかというテーマで制作いたしました。作品中、台詞が一切無いのも見ている側にも触れ合えない二人のような一種の障害を感じてもらいたかったからです。手ぶれの映像も音楽の少なさも、素朴な感じを大事にしていますが、実は電車のカットは窓の外は全て合成です。電車の撮影は許可が難しいので、公園で遊具になっている電車の車体で撮影して、窓の外を走っている電車の窓から撮影した素材で置き換えました。本業は映画の合成なものでして…少しとっつきにくい作品ですが、見た人が誰かと触れ合えることの素晴らしさを少し感じていただければいいなと思っています。
『落書き色町』/ 平岡香純(大阪府)/ 19'40"
『落書き色町』 【作品解説】
どこまでも手の届かない女の子!!!!!! 今も残っている数少ない色町のひとつ「落書き色町」。 澄ました顔をしてお客の喜ぶ女を演じることに飽き飽きしていた娼婦らが、ヤミ市で買ったおもちゃあそびや、落書きやかくれんぼに没頭し、次第に彼女らにしか通じない言葉を話し始める。気付くとお客が来なくなっていた。あべこべ娼婦のイノセンス!!!!!
大阪市西成区山王を舞台にした原色奇天烈映画。 色と音と奇妙な人々の動きが五感を刺激する。男性監督が描いてこなかった娼婦の少女性と反乱を描いた作品。18ヶ国、40の映画祭で上映・受賞。インドとボスニア・ヘルツェゴヴィナでは特に絶賛される。音楽活動も並行して行う平岡の映像表現は、大阪発~宇宙経由~日常行き。映画制作に関わる全ての人間の熱情がスクリーンから匂うほど濃厚である。


全国より122作品の応募がありました
審査委員長
斎藤武市(映画監督)
特別審査委員
工藤雅典(映画監督)
細野辰興(映画監督)
久保朝洋(映画監督)
前田直樹監督 田野聖子監督 松田彰監督 土橋利章監督 木下真監督 加藤秀樹監督 丸井隆三監督
平井健志朗監督 落合信人監督 平岡香純監督 斎藤武市審査委員長      


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