過去の受賞作品

第15回短編映画コンクール(2016)


グランプリ
『こんぷれっくす×コンプレックス』ふくだみゆき(群馬県) / 19’56"
【作品解説】
中学2年生のゆいは大人に憧れている。ワキ毛が大人の象徴だと思っており、クラスいちワキ毛の生えている武尾に興味を持っていた…。セリフを録音してから画を作る「プレスコアリング手法」で制作されたFlashアニメーション。10代特有の独特な空気感を実写さながらに描く新感覚胸キュンコメディ。
【審査委員長 品評】
アニメーションというにはお手軽な方法が採られているが、かえって端的にストーリーには入って行きやすいのかも知れぬ。そして少女を腋毛フェチにしたことで、中学二年生という極めて限定的な時期の乙女心、それに翻弄される男子生徒の在り様を見事に<絵に描いてみせた>。
小谷ゆいには水泳教室も男子の腋毛の品評会でしかない。そこで大人にも負けないとして最高点を与えられたのがクラスメートの武雄マサト君。彼女の方から接近が始まる。そして姉に前髪を切られ過ぎたというゆいに、マチルダに似ていると言われ映画を見て以来、カンフー映画の好きな武雄君にジャッキー・チェンを紹介されるが、彼女の作品の評価はあくまでも男優たちの腋毛、この辺りのちぐはぐな会話が面白い。いつも彼女に自分の腋毛を見られている気がして(まさにその通りだが)、ある日突然腋毛を剃ってしまった武雄君。それをプールで発見したゆいは、ほとんどパニック状態。なにしろ、武雄君の腋毛にかかれば、ジャッキー・チェンなど物の数ではなかったからだ。かくして、そのショックを直に武雄君にぶつけるゆいは、勇敢にも率直に自分の腋毛フェチを告白する。それに応えて、武雄君も濃すぎるための腋毛コンプレックスを告白し、夏休みに上映される映画に一緒に行く約束もできて二人がいい関係に進むように見せ、武雄君に好きだと言わせたところで、ゆいはあくまでも武雄君の腋毛に惚れていたのであって、決定的なところで「ごめんなさい」させてしまうという、恋の残酷さも用意されている。 そして、長い空白の後の新学期、二人は廊下で立ち話をするが、武雄君には付き合い始めた女子がいるようだし(一度は約束していた映画を一人で見たと言っているが、実は怪しい)、私も腋毛が生えたと言うゆいは、すでに腋毛コンプレックス=腋毛フェチから解放された様子で、かなり大人になった気分のようだ。
会話に絶妙の味を染み込ませて展開する「ある夏の出来事」。これは確かに実写ではなくアニメ固有の素材だったかもしれない。
準グランプリ
『N.O.A.』下向拓生(愛知県) / 15'00"
【作品解説】
☆15分間リアルタイムSFサスペンスコメディ会話劇☆
~新型の秘書機能アプリ「N.O.A.」は空気の読めない超天然系女子。主人のマコトが命令した道案内も無視した挙句「興奮していますね☆」と冷静に煽るN.O.A.。果たしてマコトは目的地に着けるのか!?
~裁判傍聴の経験を元に、会話だけでストーリーが進む密室劇を目指しました。また、制作面ではVFXなしのアナログ的な撮影でSFを表現しました。本作で描かれる世界について考えるきっかけになれば幸いです。
【審査委員長 品評】
これはアイデア賞ものの作品だ。ロボットなり未来機器類が人間を支配する話はSFの世界では常識だが、ここに描かれた世界はもうほんのすぐ近くにある世界だといっていいだろう。スマホの持つ秘書機能が進化すれば、なるほど便利さを超えて超わずらわしくなるだろうことは容易に想像がつく。自分の車に乗り、住所を言ってそこへ案内しろといえば、自動車は走り出すはずだ。だが、秘書機能が進み過ぎると、余計な口出しをしてくることになる。この映画はここから始まる。そこへは行けませんという返事。なぜなら、あなたは(ご主人様は)殺人を犯そうとしているからです、とこうなる。それも単純に答えを出してくれない。いかにも様々な仕様がありそうで、余計なところで運勢を持ち出したり、かえって人間以上に過剰なものが持ち出されてくるからくりが巧みに綴られる。老婆心さながらに深情けで迫る秘書機能のスマホの設定は、なかなか見事な脚本術だ。さらには、無謀運転で殺された恋人のスマホの秘書機能まで絡んできて、結局は復讐を断念するオチがつく。この作品がアイデア倒れに陥らずに済んだのは脚本の功績だが、やはりアイデア以上のものではなかったというのも正直なところだ。
入賞
『帰ろうYO!(20minutes)』松本卓也(東京都) / 20'00"
【作品解説】
監督・脚本の松本卓也です。出身がお笑い芸人だからか、お客様に「ウケる」のが好き。だから映画作りでも全く変わらず、作ってお披露目するならばウケたい。そのウケるというのは「感動した」「笑えた」「面白かった」「恐かった」「ドキドキした」等、映画のジャンルによってウケ方が変わるだろう。でも作ったからには大いにウケたい。届いたということを実感したい。そこで今回の作品。今作は自分の母親世代の方々にウケたい、届けたい、思いで作った。俯瞰で観れば、自分みたいな人間が好き勝手に撮っている独立映画は、どうしても若人の物だろ、自己満足だろと見られてしまっている気がして。もちろん今作は若人にも観てもらいたい内容で、結局は老若男女にウケたいと思っている。この作品が多くの母や父、若人に届くと嬉しいなあ。
【審査委員長 品評】
仲間内のヒップホップグループの解散を機に、故郷へ帰って向こうで仕事も見つけようと決めたラッパーたる青年が、同棲している彼女に結婚を申し込み期待以上の快諾を得た。ラッパーをやめて何の取り柄もなくなったはずのオレに彼女はついてきてくれる。ところが、そうは問屋が卸さない。彼女(まい)は帰郷の道中、一回失神したかに見せて、もはや元の(まい)ではなくリズム星人だと称して、初対面の母親の前でも遠慮なくボイパをやってのける。彼女に通常のセリフでなく、このボイスパーカッションをふんだんに使って、立ち回らせるところが本作の工夫であり見所だ。そして、そのことはラッパーであることをやめたと言いながら未練を残している彼氏(りく)への挑発者を任じていることがやがてわかってくる。夜の橋の上を酔いつぶれた(りく)を背負って家路を辿るシーンが見せ場にもなっている。(りく)は母親と離婚してから久しく会っていなかった父親にも会い、そして、その報告に来た畑仕事中の母親の前で、(まい)に促されるようにラップで母親への感謝を綴る。母親も一緒にそのリズムに乗るという仕掛けだが、このラップがどうにも幼稚に聞こえ、有終の美を飾れなかったのが残念だ。
『紳士のスポーツ』宝隼也(長野県) / 17'43"
【作品解説】
定年も近い金田は日々、バスに乗って役所に通勤している。ただ日常が過ぎていく中で彼の唯一と言っていい趣味はゴルフである。今日もバスを待つ間、傘を振る。彼のバイブルにはこう書いてある。「ゴルフと恋は紳士の嗜みである」
さて、今作は特に大きな事件が起こるわけでもありませんし非常に簡単な物語です。描いているのは中年の淡い恋模様です。しかし、主人公・金田のように何か熱を入れられるものを得られることはとても大事な事だと思っています。
【審査委員長 品評】
一言でいうと、順序を追って坦々と丁寧に作られていることで、かえって肝腎の作品のツボといったものを見えにくくし損をした作品のように思う。バス停で通勤バスを待つ間ゴルフの素振りを習慣としている中年というには老け、老年というにはまだ少々色気もあるといった男が、最近一緒になる若い女性が気になっているという設定だ。第一章とは書かれないが、代わりに<ゴルフと恋は紳士の嗜みである>と「禅とゴルフ」という本に書かれているらしい箴言めいたものが表示され、以降展開にしたがってというより、展開を促す形で、全部で四つの箴言が現われる。まるで、起承転結といった按配に。その一つ一つの箴言が、女に強い関心を持ちながらせいぜいペンを貸してやるぐらいが関の山の男を<スウイングがなければ、ボールは飛ばない>などとからかい気味に進み、女の同じ職場の先輩の男が車の故障中ということでバス停組に加わると、結局ボールを飛ばしたのは他ならぬ女という皮肉な結末が用意されている。結果的にとんびに油揚げを取られたわが主人公は、雨の中で自棄のように素振りを繰り返すというわけである。ここで<真のスウイングは雑念を払う>と出ればぴったりくるのだが、残念ながらこの箴言はこの件の冒頭に出るという憾みが残る。といった、ボタンの掛け違いが時には致命傷になることもあるわけで、こういった短編では主人公をあくまでも中心点として描いておかないと、主人公を外したところで女の先輩の男へのアプローチを描いても理に落ちるだけで、突然最後に車で二人が登場するといった処理の方が、主人公だけでなく観客をもあっと言わせることは間違いない。
入選
『温時泉光』松田奈月(神奈川県) / 19'18"
【作品解説】
30年の時を隔てて、日本の那須と中国の紹興をつなぐ「二人」の物語。
初恋の彼の故郷・那須へ紹興からやってくる美雲。それは30年前に果たせなかった彼との約束だった。すれ違ってしまった二人の時間や過ぎ去った自分の人生を旅先で静かに振り返った時、彼が語っていた「温泉」のすべてを包み込むあたたかさを実感するのだった。温泉に守られた穏やかでゆったりとした時間の流れる「那須」と魯迅の故郷であり紹興酒の産地である情緒豊かな「紹興」で日中のキャスト・スタッフで制作した作品です。
【審査委員長 品評】
三十年前、中国の紹興に旅した幸治はそこで李美雲と運命的な出会いをする。二人は次には幸司の地元である日本の那須に美雲が訪ねてくることでより深い絆が生まれることを信じて疑わない。それが、まさに今のこととして手紙のやり取りが声で交換される趣きで、美雲は日本に着き那須の約束の地へと向かっている。だが事実は美雲は美雲でも、かつての初々しい美雲ではない。三十年という時間の経過があるという仕掛けだ。というのも幸司に会いに行こうとする美雲を阻んだ地元の青年がいたのだ。自暴自棄になったその青年を美雲は捨てきれなかった。そして日本行きを、幸司との再会を断念したのだ。そして三十年の時の隔たりを経て、那須の約束の神社に向かう美雲の前に立ち現われたのは・・・。
三十年という時の隔たりを淡い恋心そのままに淡く切なく描こうとしているが、昔と今の間の深い断絶感を描き切れなかったために、一向に胸に迫るものがない。三十年の隔たりを経て那須にきた美雲に異なる女優(年齢相応の)を当てていることも、かえって興を殺ぐ結果をもたらした。
『珈琲色彩』赤羽健太郎(長野県) / 19'06"
【作品解説】
ある日、埼玉県上尾市の郊外にあるコーヒー豆専門店・村上珈琲に、一人の若い女性客・美香が訪れる。店員の志帆は、どこか自信なさげにモカ・マタリを注文する美香の様子に引っかかるものを感じるのだが――。しばらくして使いかけのモカ・マタリを手にした美香が再び店を訪れ、商品を返品したいと申し出る。果たして彼女の真意は?
埼玉県上尾市に実在するコーヒー豆専門店・村上珈琲を舞台に、店長・村上博栄自らのプロデュースと監修により製作された、コーヒーファンによるコーヒーファンのための短編映画です。コーヒーを単なるモチーフや小道具として扱うのではなく「コーヒーそのもの」についての映画を目指しました。
【審査委員長 品評】
珈琲の味一つで男から別れ話の出ている女の依頼に応えて、男を引き留めようというストーリーが大真面目で綴られる。あの時飲んだコーヒーの味が忘れられないという男の言に、女はそれがモカ・マタリだったことを突き止め、それを珈琲屋に求めに来るのだが、結局あの時の味ではないと突っぱねられ、泣く泣く珈琲屋の女主人に助けを求めるのだが、女主人は、心変わりは防げないけど、今の心を知ることはできるとかなんとか、今の彼にぴったりの珈琲のブレンドに成功する。これが現代のおとぎ話にみえるどうか、甚だ怪しい所だ。どうせなら、珈琲媚薬説でも打ち出して、ブラックユーモアに徹する方がインパクトは強くなるだろう。
『太陽は胸の中に』林弘樹(埼玉県) / 15'25"
【作品解説】
「厳しい冬の中にある者は、暗さではなく太陽をみようとする。喜びの大きさと、その人の成長はそれぞれの越した冬にかかっている。」
少年は坂道を登る。少女は、一瞬で大人になる。明里は、村の伝統行事「初午」を前に、先輩の貴志から次代を託され思い悩んでいた。そんな娘の不安を気遣う母の緑は「例え親であっても我が子の心の痛みを本当に分かち合ってあげることは出来ないのかもしれない」と気付く。明里は貴志など村の仲間達への思いの丈を山に向かってぶつける。母と娘を中心に3世代の家族の思いが交錯する…。
三世代の家族の「想いの伝承」の物語。舞台の中心となる五箇山地域は、平均積雪量3m以上という 日本有数の豪雪地帯。この村の長く厳しい冬の1日1日が、家族を育てる。ここで暮らす3世代に渡る家族の生き生きとした姿を、子供たちの成長を軸に描きました。
【審査委員長 品評】
かつて自分も少女心に不安を抱いた年頃に、自分の娘がなったことを意識している母親の、山と森に囲まれた田舎暮らしがスケッチ風に綴られる。伐採の仕事をする夫、そして村の初午の行事の一つ、子供たちの参加する神様への奉納演目で神主役をやる娘、その弟の息子、との暮らし。不安を抱かえながらも神主役を無事務め上げた娘は、さらに成長するだろう。表題は、この母親の願いでもあり決意でもある。母親の心と同時に、南砺市利賀村の風物は美しいが、そこに、いやそこだけにとどまっている映画でもある。母親の語りに混じって、途中娘の一言も入れられていたが、狙いが不分明になったように思われる。
『また会う日まで』岡部哲也(東京都) / 7'45"
【作品解説】
古い言伝え。親よりも先に死んだ子供は賽の河原で石を積む。上手に石を積めると天国に行けるらしい。残された人は、その子のことを想って石を積む。墓場にいる男と少女。誰かの墓参りに来たようだ。少女は友情の歌を歌い始める。これは幽霊の淡い恋物語。
【審査委員長 品評】
広い墓地の一角。墓に詣でる男女。一人はそれなりの大人で、一人は制服を着た少女。だが、一緒にお参りしているのでないことは直ぐにわかる。少女はこの墓の主、死せる少女であることが。少女の歌う「今日の日はさようなら」。少女と男は学友、かつての恋人。 谷川の急流で溺れかかった少年を救おうとして死んだ少女。彼女が見守るうち、遅れて、男の婚約者が現われる。男は二人が結婚することを墓前に報告に来たという。すでに妊娠もしているという。少女は祝福するしかない。子供が生まれたらまた報告に来るという二人が去っていく。全くの性善説の作品。ピュアすぎて物足りないということもあるのだ。
『窓の外側』柴田啓佑(静岡県) / 7'13"
【作品解説】
本作品は地方自治体と民間業者の協力で創り上げた「官民連携」の作品で、内容もさることながら製作のプロセスが大変ユニークです。作品中の商業施設のシーンでのエキストラは「東京をイメージした服装で(笑)集まってほしい。」との市企画局の呼び掛けに応じた市職員。高校のシーンでは、市から教育委員会に依頼し、本物の教師、生徒が早朝から撮影に臨むなど、行政も全力でバックアップしました。
この作品のテーマは「移住促進」。昨年多くの地方自治体が移住動画に取り組みましたが、地域の名所やお祭りの案内など、「お国自慢」の内容が多数でした。そのような内容に物足らず、市の悩みである「人口減少」対策として何とかしたいと考え、業者だけにお任せせず「熱意」を持って取り組みました。そして、この姿勢を、意気に感じた静岡市出身の柴田監督は、当初お願いしていた3分を大幅に上回る7分の作品に仕上げてくださいました。ぜひ、仕上がりをご覧ください。
【審査委員長 品評】
父親の転勤で静岡に来ることになった女子高生の話。転校生によくあるように、最初は孤立していたが、あるきっかけで女子にも男子にも友達が出来た。転校してきた頃は大学を受けて東京に帰るまでの辛抱と考えていたのが、大学を卒業してみると静岡で就職もし生活もしようと帰ってきた、めでたしめでたしという話。しかし、この作品は富士山が登場するだけで、それを除けば他のどの地方都市、いやど田舎でも同じって感じ。静岡のいいところを強調する話はもっともっと破天荒に作れるはずだぜ!
『リマインド』吉田岳男(東京都) / 20'00"
【作品解説】
世の中にはインターネットの普及等でいろんな情報が溢れています。人の記憶というのは曖昧で新しく何かを覚えると同時に何かの記憶を代わりに失っていくようなことが言われています。何気なく生活している中でふと昔を思い出したりすることが誰しもあるのではないでしょうか。それは失った記憶の断片かもしれません。知らずに忘れていく大切なこと。「リマインド」とは思い起こさせるという意味があります。この物語は主人公がある日をきっかけに昔、仲の良かった友達との記憶の断片を思い出すことから始まります。テーマを身近にファンタジー性の要素と随所に時代性を感じるロケ場所や古き物を取り入れ物語の世界観の演出に心掛けました。
【審査委員長 品評】
ある古い御屋敷で、時計を修理したお礼に執事風の男からいわゆる魔法のカンテラを貰ったヒロインが、幼い頃友達の女の子が宝物として大切にしていながら自分に呉れた水晶玉を、カンテラを頼りに探し出そうとするファンタジーである。だが、その女の子というのが、まもなく行方不明になるという事件があり、周辺の山林でも捜索が行われている最中、ある場所にその水晶玉が落ちているのに気づきながらも、何だか恐くて言いそびれたという曰く付きのものである。しかし、時系列で言えば、すでに水晶玉はヒロインが貰っているはずなのに、不明の少女の置き残したもののような表現には疑問が残る。ヒロインがそれほど大事な思い出の品である水晶玉をなぜ失っているかも明らかにされない。だから、ヒロインが魔法のカンテラで水晶玉を見つけたとしても、何の感動も生まれるはずはない。行方不明事件もただありましたというだけでは、その先により豊かなファンタジーが成立するとは思えない。
審査員特別賞
『こんぷれっくす×コンプレックス』林奏絵(声優賞)


全国より98作品の応募がありました
審査委員長
伊藤俊也(映画監督)
特別審査委員
工藤雅典(映画監督)
椿原久平(映画監督)
冨永憲治(映画監督)
 


実行委員会事務局:〒391-8501 長野県茅野市塚原2-6-1 茅野市役所 観光まちづくり推進課内 TEL.0266-72-2101 FAX.0266-72-5833